脳梗塞を発症した後遺症により左片麻痺になったのは2004年の11月でした。発症直後は、私自身も知らなかった「ボツリヌス療法(ボトックス注射)」を2013年に打診され治療を受けるようになり身体的に楽になった、ボツリヌス療法は、どのような治療法なのかについてや効果や気になる費用や副作用について
ボツリヌス療法(ボトックス注射)とは?治療目的について
ボツリヌス療法(ボトックス注射)とは?
ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。
ボツリヌストキシンを注射すると、筋肉を緊張させている神経の働きをおさえる作用があり筋肉の緊張をやわらげることができます。
ボツリヌス療法(ボトックス注射)の効果は?
脳卒中の後遺症の一つ、片麻痺でも自分の思い通りに動かすことができなくなることは同じですが
筋肉がやわらかくなる弛緩性麻痺(しかんせいまひ)反対に痙性麻痺(けいせいまひ)があります。
ボトックス注射は、痙性麻痺(けいせいまひ)の痙縮(けいしゅく)をやわらげる治療法です。
痙縮(けいしゅく)と痙縮の症状とは?
【痙縮(けいしゅく)とは】
脳卒中後遺症に多い運動障害(機能障害)のひとつ。筋肉が緊張し手足が動きにくかったり、勝手に動いてしまう状態のことです。
痙縮による姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まり関節の運動が制限され(これを拘縮(こうしゅく)といいます)、日常生活に支障が生じてしまいます。
痙縮がリハビリテーションの障害となることもある為、痙縮に対する治療が必要となります。
【痙縮の症状】例として
上肢(じょうし)
・手指が握ったままの状態になり、開こうとしても開きにくい
肘が曲がる下肢(かし)
・足先が足の裏側のほうに曲がってしまう
私は、左片麻痺で痙性麻痺(けいせいまひ)でとくに上肢の痙縮をやわらげるためにボツリヌス療法を受けています。
ただし2004年に発症した直後ではなく発症してから8年以上経過してから医師にボツリヌス療法を突然!打診されました。
今現在も肩・肘・手首・指の関節が硬くなるのを予防するため週に一度リハビリに通って関節を伸ばしてもらって筋肉が固まるのを防いでいます。
毎週リハビリに通っている私の麻痺腕の状態を見た医師がボツリヌス療法を打診したんだと思います。その時の様子は→新展開?担当医からボトックスを打診されました。
ボツリヌス療法(ボトックス注射)で期待できる効果や費用は?
ボツリヌス療法の効果は、注射後2~3日目からゆっくりあらわれ、通常3~4カ月間持続します。その後、数週間で効果は徐々に消えてしまいます。
ボトックスの注射は、痙縮(けいしゅく)の状態を見た医師が打つ場所と量を決め筋に直接打ちます。
ボツリヌス療法(ボトックス注射)による期待できる効果
・手足の筋肉がやわらかくなり、動かしやすくなります。
・関節が固まって動きにくくなるのを予防します。
・(拘縮(こうしゅく)の予防/関節が変形するのを予防します。
・リハビリテーションが行いやすくなります。
・痛みを和らげる効果が期待できます。
・介護の軽減
ボツリヌス療法を行った後、リハビリテーションを組み合わせて継続して行うことで効果が期待されます。
私の場合もボトックス注射を年に多くて春と秋に受けていて毎週リハビリに通うことでボトックスの効果を最大限にいかすようにしています。
また毎週通うことでボトックス注射の効果が徐々にうすれてきていても拘縮(こうしゅく)の予防をすることができています。
ボツリヌス療法の費用は?副作用はあるの?
上肢痙縮・下肢痙縮・眼輪痙攣(がんりんけいれん)・発汗異常(脇汗)に対して、健康保険が使えます。ですが非常に高いお薬です。
ボツリヌストキシンは、1瓶(100単位)で約9万円!
一度の投与の上限が300単位でその場合だと27万円!
注射を行う部位や、範囲によって費用が異なり1割~3割負担で治療を受けられます。
【ボトックス注射のみを行った場合のおおよその金額】
50単位
自己負担割合3割/17,000円
自己負担割合1割
自己負担限度額(12,000円)
6,000円
100単位
自己負担割合3割/28,000円
自己負担割合1割
自己負担限度額(12,000円)
10,000円
ボツリヌス療法(ボトックス注射)は、脳卒中後遺症の手足の筋肉のつっぱりやこわばりに対して効果がありますが治療費が高額です。
救済措置として各都道府県の地方自治体が身体障碍者への医療助成にくわえ医療費が一定の限度額を超えた場合の「高額療養制度」もあります。
福島在住の私は、市から
1.「重度心身障碍者医療費受給資格証」
2.「国民健康保険限度額適用・標準負担額認定証」
上記の二つを交付されていています二つの違いは
1:普段の通院した際の診察費と処方されたお薬代金が全額免除
2:「ボトックス注射」「装具作成」「入院費用」などの医療費が高額になった場合に1の保険証と同時に適用される保険証
身体障碍者手帳を交付されているのであれば医療費についての助成も受けることが可能と思われるのでお住いの地方自治体に相談することをおすすめします。
【ボツリヌス療法(ボトックス注射)の副作用について】
・注射部位がはれる、赤くなる
・痛みを感じる
・体がだるくなる
これらの症状は多くが一時的なものですが、症状があらわれたら医師に相談しましょう!
筋肉の緊張が和らぐことを目的とした注射ですので筋肉の緊張に依存して行ってきた動作ができなってしまう可能性もあります。
ボツリヌス(ボトックス注射)は、脳卒中患者に関しては、あくまで痙性麻痺(けいせいまひ)の痙縮(けいしゅく)をやわらげる治療法で動かなかった手足が動くようになる治療ではありません。
私は、医師からボツリヌス(ボトックス注射)を打診されましたが、効果が見込める場合のみ受けられる治療なので自信が希望しても必ず受けられるとも限らないです。
でもこれは、ボトックスに限らずどんな治療にもあてはまることですね。
今年は、春と秋にボトックス注射をうけましたが、春にうけたときは、今年の春の前からのことですが医療費全額控除の交付を受けていても
一旦金額の一部を支払って3カ月後ぐらいに支払った金額が戻ってくるという方法で受けていました。結局全額控除なのですが、一旦支払うシステムについて
市に問い合わせをしたところ「窓口無料」という方法があり11/16にボトックス注射を受けたときは、一旦支払うということすらせず治療をうけることができました。
私は、ボトックス注射を受けることで服の着脱や痛みの軽減、手がひらきやすくなることで爪がきりやすくなったなど効果を実感しています。
ただそれを可能にしているのは、注射を受けてもリハビリに通いボトックス注射を最大限にいかすことが一番大切だと私は考えています。
ボトックス関連過去記事一覧→ボトックス
最後までよんでいただきありがとうございました。 by.aki
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